のぞみの広場

「慣れ」の良し悪し

No.62
希学園 理科講師 村上 貴志

夏だ! 希だ! 勉強だ!! 配られた瞬間に読んでいる場合ではないっ! すぐにしまって勉強を始めよう!

希学園で新年度が始まってから半年近く経ちましたが、慣れてきて学習が雑になってないかな? ギクッとするところがあるよね。今回はこの、「慣れ」の良し悪しを紹介していきます。


良い「慣れ」とは、ひとつひとつ考えながらでないとできなかったことが、手を止めずにこなすことができるようになったり、緊張しすぎて力が入り過ぎていた状態から脱出し、リラックスして取り組むことができるようになったりすることです。身近なことに例えるならば、言葉を話すことです。話しはじめの赤ん坊は犬を指して「わんわん!」と言いますが、みなさんはそんなことはないでしょう。「かわいい犬が散歩しているね」でしょう。また、緊張しているときには「えーっと、あのー、そのー、」となかなかスムーズに出ない言葉も、緊張から解放された状態であればペラペラと立て板に水のように出てくることでしょう。良い慣れを身につければ、ものごとを効率良く、自然体でこなすことができるようになる、というのはこういうことです。


一方、悪い「慣れ」とは、深く考えることなく雰囲気で流されて行動したり、ばれそうにないところを手抜きしたりすることです。つまり、本来の目的を見失い、中身の無いことをするということです。さて、ここから後は覚悟して読んでくださいね。すでに気付いた人もいるとは思いますが、今から勉強に当てはめていきますよ。


まずは、授業について。初めて授業に参加したときのことを思い出してください。多くの人は、緊張感をもって、懸命に授業を聴いていたと思います。それが今はどうでしょうか。先生の問いかけに対して、誰かが答えてくれるからいいやと思って考えなかったり、ノートをとることが面倒だからといってとらなかったり、手悪さをしたり。授業に慣れて緩んでくるとやりがちなこと、挙げたらきりがないですが、賢い皆さんなら良くないことだと理解できますね。

次に、宿題について。宿題は、賢くなるための道具であって、終わらせることが目的ではないですよね。それにも関わらず、間違えた問題のやり直しをしなかったり、ばれないからといって答えを写してしまったり、ひどいときには、答えのみならず、解説に書いてある考え方を深く考えることもなく写してしまったり。後ろめたい気持ちがうすまってきて、意味のない取り組みをすることに慣れていないでしょうか。

そして最後に、テストについて。採点者に正しく読み取ってもらえるように考え方や答えを書いた方がいいですし、時間に余裕があったら見直しをするべきですよね。本番の入学試験ならば、誰しもが意識するような事です。それにも関わらず、復習テストに悪い意味で慣れてしまい、取り組み方が雑になっていないでしょうか。しまいには、悪い点数をとってしまっても、気に留めなくなっていないでしょうか。


当然、今まで挙げてきたことをきちんとできている人もいるでしょう。しかし、全てが完璧な人はいないと思います。もし仮にそうであるならば、外に出て元気よく遊んでくださいね。やるべきことをきちんとできている人は、休みをしっかりととるべきです。

耳が痛い話を読まされて、耳をふさいでしまいたい、目をそむけてしまいたい人もいるとは思いますが、落ち込んでいても仕方がありません。悪い慣れを常に警戒していきましょう。そして、良い慣れを意識し、上手に利用していきましょう。習慣にしようと思って始めたときは辛いですが、習慣にしてしまえば、そつなくこなすことができるようになるのが人間という生き物です。三日坊主は厳禁です。

ちなみに、このお話は皆さんのみならず、私を含め、一見勉強とは縁のないように思える職人も、スポーツ選手にも言えることなのです。つまり、勉強のみならず、大人になっても、このお話は全てのことに対して当てはまるわけです。そしてまた、勉強が中心の生活をしている皆さんにはわかりづらいかも知れませんが、勉強ほど良い慣れを身につけやすいものはないのです。


さて、そうとわかったら勉強だ! 今後の取り組みに期待しています!! 頑張れ! 希学園塾生諸君!!

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