夜明け前の空が濃い青色に染[まる時間。そして日[没[後のすべてのものが金色につつまれ、まるで影[が無[くなってしまうように見える時間。この二つの時間の光[景[を目にするとき、いつも私[は受[験[のことを思い出します。
塾[の先生というのは、決して早起きすることが多くはない仕事なのですが、入[試[期間中だけはとても早起きになります。それは毎朝4時5時に起きて、受験生に最[後[のエールを送るべく入試会場に向かうためです。
入試期間はちょうど寒中ということもあり、朝はとても寒く、家を出て駅に向かうときはちぢこまって足早に歩を進めたくなるのですが、ふと空を見上げると、とても深く濃い青色の、昼間の青空とはちがう空がそこにあります。この空が見える時間のことを「ブルーアワー」と言うそうです。
「緊[張[しているであろう受験生を少しでもリラックスさせよう。そのためには少しギャグでもやってみようか…いやいやそれこそギャグがすべったら目も当てられない。ん!?…すべるなんてなんて縁[起[の悪いことを俺[は今思ったんだ、ああ…」などと、朝受験生以[上[に興[奮[しがちな私の心を、このブルーアワーの空は落ち着かせてくれます。そして、こちらが普[段[通りでないと、受験生たちも冷[静[でいられない。特[別[なことをするのではなく、いつもと同じことをすることが大切なんだと思わせてくれます。
この空は、「物事を始めるにあたっての心[構[え」を教えてくれるように思います。そんな空が一日の始まりである朝にあるのは、なんともうれしい気持ちになります。
日没後のすべてのものが金色に染まる時間の様子も受験のことを思い起こさせます。
合[格[発表は昼から夕方頃[に行われ、当[然[のことながらその発表会場は合格を得[た受験生とそうではない受験生が混[ざった状[態[になります。
合格を得た受験生はこれまでの緊張から解[放[され、とてもあどけない顔にもどります。そして、塾では見せなかった「子どもらしさ」をみせてくれます。そのあたりを走り回ったり、やたらお母さんに甘[えてみたり、叫[び回ってみたり、泣[き叫んでみたり…。
そんな様子を見ていると、ほほえましく思いながらも、この一年の間、受験のために、本来の子どものわがままな部分を我[慢[し、自分を見つめ続[けるという大人でもなかなか出来ないことをやってのけた受験生たちに、頼[もしさを覚[えます。
残[念[ながら合格という結[果[を得られなかった受験生たちと話をすると、当然のことながら悔[しさをいっぱいに浮[かべ、自分を責[める言葉を口にします。しかし、ゆっくり話をつづけていくうちに、「お父さんお母さんに申[し訳[ない。自分を応[援[してくれた人に申し訳ない」というようなことを多くの受験生が口にします。この言葉は自分がここまで最高の準[備[をしてきたからこそ、自分に自[信[を持っていたからこそ口に出来る言葉なのです。そのように言える準備をしてきた受験生たちに合格という結果を届[けられなかった無[念[さと、そんな状[況[でも力強くいる子どもの強さに毎年何とも言えない気持ちでいっぱいになります。
小学生の時だからこそ出来るひたむきさ、自分の目[標[達[成[を信じて疑[わない真[っ直[ぐな気持ちを貫[いた受験生たちを、その結果の如何[を問わず、ただただやさしく黄[金[色に染める夕日の様子は、毎年強く私の心に残[ります。
日没後しばらくまで続くすべてのものを金色にするこの時間を「マジックアワー」と言うそうです。日中どんなことがあったとしても、すべてをやさしくつつみこむやさしい光に、また明日も頑[張[ろうという気持ちにさせられます。日の光を求[める人間の気持ちって不[思[議[ですね。
希学園第20期生の皆[さん。
受験生としての一年、お疲[れ様[でした。
今は輝[かしい「マジックアワー」にいるところですが、「ブルーアワー」はすぐにやって来ます。次のステージでも大いに成[長[そして、活[躍[されることを願[っています。
また、中学生になったそのまぶしい姿[を希の先生たちにお披[露[目[に来てくださいね。
合格おめでとう!
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