のぞみの広場

馬酔木(あせび)

No.50
希学園 理科講師 奥田 亮則
馬酔木(あせび)

先日サクラの花見がてら、近所の神田川周辺を散歩していました。すると見知らぬ子供とその母親が何やら植え込みをのぞき込んでいました。2人は植え込みをのぞき込みながら会話をしていたので、ちょっと歩みを遅めて聞き耳をたててみると、


母「小さくてかわいい花ね。」 子「お母さん、この花なんて名前?」

よく見ると、植え込みに小さいスズランのような白い花が咲いていました。そして子供はその小さい花をたくさんむしり取っていました。

母「あら、たくさんつんだのね。きれいな花だけど名前は分からないわ。」

子「いっぱいつんで持ってかえろうっと」

以下、奥田の脳内での出来事

奥田「ちょっといいですか、この植物はアセビといってツツジ科の常緑低木です。漢字で『馬酔木』と書き、ウマが食べるとフラフラするという意味で、この植物には毒があると言われています。ですからあまりさわらない方がよいですよ。」

母「ありがとうございます。どこのどなたか存じあげませんが、助かりました。」

奥田「いえいえ、礼にはおよびませんよ。ではごきげんよう。」


と、考えている間に何も言わないまま2人の所を通り過ぎてしまいました。毒といってもお腹をこわす程度なのでまあ大丈夫でしょう。その子が手を洗ってからご飯を食べることを祈ります。


その子がお腹をこわしたかどうかはさておき、結構身近な植物にも毒があるものがあります。有名なものだとスイセンの葉や球根(鱗(りん)茎(けい),鱗葉(りんよう))で、たまにニラと間違えて食べてしまい食中毒になる、というニュースを聞きます。植物からすると動物に食べられるのを防ぐためでしょうが、ニラとスイセンは見た目が似ているのでややこしいです。

植物の勉強も、○○科だとか単子葉植物とか覚えていくだけでなく、図鑑などでいろいろな食用となる植物、有毒な植物、を調べてみると面白いかも知れませんね。

タイトル一覧へ
お問い合わせ
各種お問い合わせ窓口はコチラ