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合格体験記

2018年春入試 第26期生 合格体験記

この合格体験記は第26期生ならびにその保護者の方の生の声をそのまま掲載しています。
定期的に内容を更新していきます。
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2018年09月03日更新

 保護者からの寄稿

そばで「待つ」者として

「孤独」と向き合う

 9年前の体育館、6年前の光の庭。今年の体育館もあの日と同じように寒く、そして固く握りあった手は温かかった。我が家にとって6年ぶりの中学入試が、無事に終わった。
 私自身も希学園で2年間お世話になり、灘校を経て現在はアメリカの大学で学んでいる。改めて考えても、私の人生にとってあの2年間はまさに転換点だった。人生を変えてくれた希学園への感謝の思いを込めて、後輩のみなさんにメッセージを贈ろうと筆を執る。

 受験は、とかく孤独な戦いだと言われる。確かに、わずか12歳の少年少女がたった1人で数日間にもわたる戦いに挑む点で、受験は孤独であろう。しかし、特に中学受験の場合は仲間がいる。先生がいる。家族がいる。実は本当に孤独なのは、そばで待つことしかできない、親の方だ。
 孤独な親は、しばしばその寂しさを子に向ける、と言われる。仲間や先生とともに徹底的に鍛えられた受験生たる「子」に、だ。私は経験しなかったのだが、たびたび友人からそんな話を聞いた。それは「怒り」という形になって現れることもあれば、「質問」という幾分柔らかな形を取ることもあるようだ。「どこまで宿題プリントは進んだの!」「この点数はなに!」教室で飛び交う言葉と同じように聞こえるが、それが家で飛び交ったとき、言葉は異なる意味を持つ。

 中学受験は、もちろんひとつのゴールである。親子で乗り越える長い戦いでもある。ただ、それはあくまで子の戦いであり、周りで待つ者はサポーターにすぎない。戦いでの勝利も敗北も、親の功績でも責任でもない。受験勉強を行う過程で、子はすべての結果を引き受ける強さを身につけ、そしてひとり戦いに挑んでゆくのだ。その意味で、子が真に強さを身につけ、ひとりで人生を切り拓いていく力を身につけることこそが受験の過程であり、中学受験で獲得しうる最も価値のある結果である。
 子が真に孤独を引き受けたとき、それは親への感謝を知るときでもある。孤独に直面したとき、彼らは自らがいかに守られていたかを知り、孤独の厳しさを知る。そしてそれを乗り越えた経験を胸に、中学校という新たな舞台に上がるのだ。

舞台下で精進している未来の後輩たちへ。
 孤独に耐えるだけの力は、積極的に孤独を受け入れることでしか身につかない。自分のことは自分でやることはもちろん、中学入試においてもやらされているという意識ではなく、ひとつひとつの準備を自分で考え納得した上で行うことが最も重要だ。
 受験において一番努力するのは、もちろん自分自身だ。自分の努力がなければ、いかなる結果を生み出すこともできない。しかし一番苦労するのは、実は周りのサポーターだ、ということを忘れてはならない。自分ではどうすることもできない歯がゆさを抱きながら、自らの孤独にじっと耐え、影で応援する。私自身そんなサポーターに回った経験から、受験において最も大切な3つのことを改めて伝えたい。
  一、自分を信じる。
  一、最後まで決して諦めない。
  一、受験ができることに、周りの支えに感謝する。
 自分が努力できているのは周りの人や環境のおかげだ。その意識が生まれたとき、中学受験は自分だけのものではなくなる。それは志望校合格という称号を手に入れるためのものではなく、自らの言葉と行動で周りの人や環境に恩送りをするための手段なのだ。この指針さえ持っていれば、最初の2つは当然大切にすべきことであり、戦う姿勢も自然と生まれてくる。この3つを常に意識し、受験の先の未来を見据えつつ挑んでほしい。

晴れて舞台に上るすべての後輩たちへ。
 多感な6年間を灘で過ごし、私は海外大学に進学するという選択肢を取った。エネルギーと教育という社会基盤たる2分野で恩送りをするために自らの学びをより深める上で最善の選択だと感じて、だ。しかし、何も最初からその思いを明確に抱いていたわけではない。入学時は自分が何を目指しているのか分からなかったし、日々ただ漫然と過ごした時期もあった。中高の6年間は、失敗を恐れずチャレンジができる一番の期間である。その日々を果たして存分に活かし、灘を使い倒せたか。もう少しできたことがあったのではないかとの思いは、正直ある。
 だからこそ、この6年間で周りのサポーターへの感謝を出発点に「なぜ学ぶのか」に対する自分なりの答えを見つけていってほしい。この問いに対する答えこそが自分にとっての次なる指針となる。確かに一朝一夕に出る答えではないが、孤独に耐えるだけの力を身につけたみなさんになら可能なはずだ。中学受験で培った知的体力と感謝の心こそが、そのヒントとなるだろう。そしてその答えを見出す過程で、中高の6年間を使い倒してほしい。指針というアンテナを立てた人にしか、次のチャンスはやってこない。そのチャンスをつかみ、より高く広い舞台に上ってほしい。そして私の場合、この過程において孤独に耐えた親の理解こそが大きかったことを、ここに書き加えておきたい。

 

 当然、教育に唯一正しい解はない。とにかく志望校に合格することで道は拓けるからと、テクニックを学びとにかく受験対策を行う気持ちもよくわかる。しかし、大きな舞台で活躍し続けようとすると、自ら「なぜ学ぶのか」に答えを見出すことは必須である。単に受験で良い点を取ることよりも遥かに難しく、また面倒な作業であることは間違いない。一見直接点数に繋がらないため軽んじられがちでもある。ただ、これこそが受験という小さな世界を出た後に、真に求められる力なのだ。
 このために必要なのが自らを律した上での自立であるが、その前提条件たる「孤独」と向き合う習慣を積むことで、親も子も少しずつ孤独に慣れていくことが重要であろう。そのプロセスさえ成功すれば、短期的な通過点たる中学受験においても、合格を勝ち取ることは意外と容易いものだ。そう、中学受験はあくまで短期的な通過点なのだ。本人はともかく、周りのサポーターはどうか一喜一憂することなく、高い視座に立ち、サポートに徹してほしい。そして受験生のみなさんは「なぜ学ぶのか」と向き合いながら、今の自分の学びが何に繋がるのかを常に考えつつ、常に先を見据えてほしい。

 ひとりひとりが主体的に進路を選ぶことを、そしていつか固く手を握りあい、ともに恩送りできることを願ってやまない。それこそが、学ぶものに与えられた特権であり、責任だ。一足先に、世界の舞台で待っている。

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